【樽用語解説】天使の分け前/取り分とは?仕組みや対策、起源も解説!
ウイスキーの熟成に欠かせない樽には、ウイスキー愛好家や製造者の間でよく使われる独特の用語がいくつか存在します。
今回は、ウイスキー熟成に関連する主要な樽用語について解説します。これらの用語を知ることで、ウイスキーの世界がさらに広がります。
1. 天使の分け前(取り分)(Angel's Share)

天使の分け前(取り分)とは?
ウイスキーやワインなどを樽で熟成させる過程で、少しずつ液体が空気中に蒸発していきます。この蒸発した分を、酒づくりの世界では「天使の分け前(Angel's Share)」と呼びます。
実際には、木の樽が呼吸することでアルコールや水分が外に抜けていく自然現象ですが、この
現象があるからこそ、ウイスキーはまろやかで深い味わいへと変化していきます。
起源はスコットランドの蒸溜所から生まれた詩的表現
「天使の分け前」という言葉は、ウイスキーの本場・スコットランドで生まれました。時間をかけて熟成させる中で、貯蔵庫の天井にはほのかにアルコールの香りが漂います。
なぜ「天使の分け前」が起こるの?
天使の分け前は、木樽が呼吸していることによって別れます。
樽の木目には無数の細い穴があり、そこから空気と液体がゆっくりと歩いています。
この「呼吸」によってアルコールや水分がほんの外に抜け、
代わりに外気の酸素が取り込まれるので、ウイスキーはまろやかに熟成します。
「天使の分け前」はどのぐらい蒸発するの?
一般的に、ウイスキーの蒸発量は年間でおよそ2〜3%程度。
10年熟成させると、全体の20〜30%が天使の分け前として消えてしまう計算になります。この目減りこそが、樽熟成のロマンであり、時間をかけて味わう証。
ただし、家庭用のミニ樽の場合は注意が必要です。樽の表の面積が内容量的に大きいため、スピードが早くなります。その分、香りや色づきも早いですが、放っておいてすぐに液面が現れることもあります。
家庭用の樽で「天使の分け前」を守る方法
家庭でも樽熟成を楽しむ際には、この“天使の分け前”をできるだけ穏やかに抑える工夫が必要です。
室温を一定に保つ
室温が高いと蒸発が進みやすくなります。
理想は13〜18℃前後の温度。直射日光や暖房の近くは避けましょう。
湿度を管理する
湿度が低すぎると水分が、高すぎるとアルコールが蒸発しやすくなります。60〜75
%を目安に管理しましょう。
厚みで樽を選ぶ
分厚い木材を使った樽ほど蒸発がゆるやかです。また熟成が長く続きます。
家庭用のミニ樽を選ぶ際は厚さにも注目しましょう。
2.悪魔の取り分(Devil's Cut)

「悪魔の取り分」は「天使の分け前」に対して使われる用語で、樽のに吸収されてしまったウイスキーのことを向きます。
木材の内部にしみ込んでいるウイスキーは簡単に取り出せませんが、バーボンウイスキーのメーカー「ジム・ビーム」がこのデビルズ・カットを抽出する技術を開発し、独特の濃厚な味わいを持つウイスキーとして販売しています。
3. ファーストフィル(ファーストフィル)

ファーストフィルとは、樽が初めてのウイスキーの熟成に使用されることを承っております。
特にシェリー樽やバーボン樽で、この用語がよく使われます。 ファーストフィルの樽は、まだ樽内に多くの風味成分を含んでおり、ウイスキーに強い影響を考えることが多いです。
例えば、ファーストフィルのシェリー樽は、豊かなフルーティーな香りや濃厚な色合いをウイスキーに与えます。
4.リフィル(詰め替え用)

リとは、かつてウイスキーに一度の熟成に使用された樽を再利用することです。
リフィル樽は、ファーストフィルに比べて樽材から得られる風味成分が少ないため、より穏やかな影響をウイスキーに与えます。
最後に
ウイスキーの樽に関する用語は、熟成プロセスや風味形成に大きく関わる重要な要素です。
これらの用語を理解することで、ウイスキーの製造過程やその奥深さに対して理解を深め、より豊かなテイスティング体験が得られることでしょう。