樽の取り扱い方法 スエッティング、再スエッティング、保管方法
ウイスキーの熟成に欠かせない樽ですが、樽そのものの取り扱いや保管も、熟成プロセスの成功に大きな影響を与えます。
樽は自然素材であるオーク材を使用しているため、適切なケアが必要です。
今回は、スエッティングや再スエッティング、そして保管方法についてご紹介します。
スエッティング
スエッティングは、新しい樽や使い込んだ樽を再度ウイスキー熟成に使用する際に行われるプロセスです。
この工程では、樽に水を注入し、木材の目を開かせて樽全体を密閉させます。
樽材が乾燥しすぎていると、ウイスキーが漏れるリスクが高まるため、スエッティングは重要なステップとなります。
樽にもよりますが、24~48時間ほど水を注入することで密閉することができます。
再スエッティング
再スエッティングは、一度使用した樽を再び使用する際に行われます。
時間が経つと、樽の木材が乾燥して目が閉じたり、微細な亀裂が入ることがあります。
そのため、再スエッティングを行うことで、木材が再び柔軟性を取り戻し、樽の密閉性が確保されます。
特に長期間保管されていた樽や、複数回使用された樽では、再スエッティングはウイスキーの漏れを防ぎ、適切な熟成を行うために不可欠です。
樽の保管方法
樽を適切に保管することも、ウイスキーの熟成品質に大きな影響を与えます。
保管環境には温度、湿度が重要です。
最適な温度帯は13~18℃とされており、あまりに高温だとウイスキーの水分が失われアルコール度数が高くなります。逆に低温すぎると熟成が遅くなります。
また、湿度は60~75%が理想的です。湿度が低すぎると水分が失われアルコール度数が高くなり、湿度が高すぎると(湿度60%以上)アルコールが失われます。
家庭用熟成樽の保管
家庭用熟成樽の場合は、短期間(2週間前後)で熟成でき中身の入れ替えペースも早いので、厳密な環境で保管する必要はなく、
人間が快適に過ごせる環境、例えばリビングのテーブルや棚の上で保管すれば問題ありません。ただ直射日光などは避ける必要があります。