12年熟成の奇跡と、「時を縮める」熟成【ウイスキーガイド #8】

12年熟成の奇跡と、「時を縮める」熟成【ウイスキーガイド #8】

~「12年」の奇跡~

ウイスキーにおいて12年熟成はなぜ特別なのか

多くのウイスキーのラベルに刻まれる、12年という数字。
それは熟成がひとつの完成形へと達する「熟成の一つの最適解」を意味します。

なぜ、12年が節目となるのでしょうか。

12年熟成がニューポットと樽の個性の調和点

12年が「熟成の一つの最適解」である背景には、2つの決定的な理由があります。

  1. エステル化による華やかさの調和
    ニューポットに豊富に含まれる、アルコールと有機酸。
    これらは熟成を経て結びつき、果実香を生むエステルへと生まれ変わります。

    エステル化は熟成が浅い段階では成熟しきらず、香味は断片的。
    しかし、十分に反応が進むと、重層的で調和の取れた香りになります。

  2. 樽由来の成分溶出がもたらす調和
    果実香が整っていく一方で、熟成中には樽からも影響を受けます。
    樽材に含まれるリグニンやタンニンといった成分が、少しずつ溶け出すのです。

    リグニンは分解され、バニラを思わせる香りを生むバニリンへ。
    タンニンは渋みを与え、味わい全体にコクや深みをもたらします。

これら2つの要素により、12年前後という熟成期間は、全体的にバランスの取れた香味が形成される、ひとつの節目となっているのです。

ミニ樽がもたらす、”1/12の奇跡”

ニューポットと樽の対話で熟成されるウイスキー。
市販のウイスキーの熟成に用いられる大型の樽は、大量に向いている一方で、熟成の円熟には長い時間を要します。

ですが、小型の樽は熟成できる量が少ない分、液体と樽の触れる面積が増えます。
これこそが、TARU HOLICのミニ樽が持つ魔法。
通常の熟成に比べ、10倍以上の熟成速度を誇り、わずか数か月で12年ものに近い深みをもたらします。

市販の安価なウイスキーでも、ミニ樽熟成で荒々しさが消え、重層的な香味に。
いつものボトルが、自分だけの秘蔵の一本へと変わります。
それは、あなたの部屋で静かに進む、「小さな12年の奇跡」。