【ソムリエ執筆】ワインを最も美味しく飲むコツ

【ソムリエ執筆】ワインを最も美味しく飲むコツ

ワインを美味しく飲むにあたって、温度は最重要と言っても過言ではありません。
この記事では、その“温度”に着目して、ワインを美味しく飲むコツを解説します。

1. スパークリングワイン(シャンパーニュでないもの)の場合


いわゆるキンキンに冷えた状態、具体的には5℃以下がベストだ。
冷蔵庫内の温度は5℃前後だが、グラスに注ぐだけで1℃ほど温度が上がるので、グラスも予め冷やしておくとベター。

また、飲む直前に、ボトルを冷凍庫で数分〜数十分冷やしておくのも手である
抜栓した後は、ぜひ氷を張ったワインクーラーか、ボトル用の保冷剤を使用して温度の上昇を防ぐ。

★もう一言

厳密には、甘口・半甘口はキンキンにすべきで、辛口はもう2〜3℃高い方が良いといわれるが、ここまでこだわる必要はない。

この価格帯のスパークリングワインは、冷たさを味わうものと捉えるべきだ。




2. スパークリングワイン(シャンパーニュクラス)


シャンパーニュ、またはこれに準ずるスパークリングワインの適温は、10℃程度だ。
生ぬるいシャンパーニュは論外だが、冷やしすぎてもよろしくないと言われる。
キンキンに冷えていると、香りも味も閉じてしまうためだ。

しかし、ワインセラーがあれば別だが、10℃にボトルを用意することが難しい。
冷蔵庫の野菜室では温度が低すぎる。

そこで結局は、普通に冷蔵庫で一晩冷やすのがベストの選択である。

シャンパーニュは、ビールのようにゴクゴク飲むものではなく、グラスに注いで一口ずつゆっくり味わうべきものであるから、グラスの中で温度は上がっていき、口に含んでからも当然上がる。

温度による味わいの変化を楽しむのも、シャンパーニュの飲み方といえる。それでも期待を裏切らないほど、シャンパーニュは精妙に製造されているのである。

もう一言

ちなみに、シャンパーニュを飲む際、お勧めするのは通常のワイングラスだ。
細長いフルートグラスは、シャンパーニュの泡立ちを眺めるぶんには向いているが、香りを感じづらいという欠点がある。

 


3. 白ワイン

一般的な白ワインは、スパークリングワインと同様、5℃程度が良い。

デイリーワインなら冷凍庫でさらに冷やすのも良い。
ワインはアルコールが含まれているので凍りにくく、冷凍庫に入れたのをうっかり忘れていた、という場合でも、2、3時間程度なら大丈夫なはずだ。

また甘口の白は、0℃程度の方が美味しく感じられることが多い。
これは甘口ワインに多く含まれる果糖の性質によるものである。

ところが、同じ白ワインでも数千円以上する高級品(辛口)となると、かなり話が違ってくる。

高級な白ワインは、安価なものに比べ、香りの要素が多い。圧倒的に多いと言ってもよい。
これらの分子は、10℃程度まで温度が上がらないと気化しないので、キンキンの温度では香りを感じとることができない。

また、高級白ワインは、味についても温度の影響が顕著にみられる。
これは安価なものには含まれていない旨味成分によるもので、13℃程度まで上げて初めて感じられる要素がある。

ものによっては15℃、さらに18℃まで上げた方が美味しいという代物まである。

一般論としては、1時間ほど前から冷蔵庫から出しておいて10℃ほどでスタートし、あとはこまめに冷蔵庫やワインクーラーへの出し入れを繰り返すと良いだろう。



4. 赤ワイン

赤ワインの温度帯は広く、5℃から20℃ほど。
タイプによって適温は異なるが、白ワインに比べて温度管理に神経を遣う必要はない。

大体10〜15℃で飲めば、外れることはないだろう。

甘口の赤ならキンキンが良く、ボジョレのような軽くフルーティなタイプも軽く冷やして、10℃程度が美味しく感じられる。

いわゆる普通の赤ワイン、つまり渋みのある赤ワインは、12℃から16℃程度が良い。
赤ワインはその製法上、白ワインにはないタンニンが含まれていて、12℃を下回ると苦く感じる場合がある。

もう一言

年代物や高級ワインになると、18〜20℃の温度で初めて感じ取れる要素があるが、非常にレアなケースである。
ここまで高いと、明らかにぬるいと感じてしまうので夏場では避けた方が良いだろう。

 


この記事を執筆したのはアプランさん。

現役ソムリエとして20年の経験を積み、
年間2000~3000本ほどのワインを試飲。
JSA資格・調理師資格を保有。